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images ウェーブのボトムズシリーズに、遂に只野☆慶さんが参戦! 原型製作へのこだわりをじっくりと解説。最後には作例も手がけていただきました。

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固定モデルから可動モデルへ
 発注は1:24スケールのロッグガンと、それを正面持ち出来るスコープドッグの上半身(固定ポーズ)で極度のデフォルメは不可という条件が付いていた。

 只野の制作スタンスは各種ホビー誌にも繰り返し書いているのだが、「人型ロボットに演技させる要素としてナックルの表情付けは不可欠」としてきた。但し、それ以外の四肢はフィギュア的に極端なディフォルメはぜず、解剖学的に機構を掘り下げるベクトルで取り組んできた。

 前置きが長くなってしまったが、では何故今回の商品が固定ポーズではなく可動式になったのか、その経緯を機構と照らし合わせて解説しよう。

 まずロッグガン原型を先に制作したのだか、注視した点が3つある。

1.トリガーグリップ  
 肩、ヒジ、手首等、元デザインも含め可動域を工夫しても限界があるので グリップそのものに角度を変えられる機構を当初から設計している。
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2.フォアグリップ
 こちらは発注時の条件にもなっていて可倒式にしているが、上方45°程度に止めている。これはデザイン上で直上にスコープがある事やナックルサイズを考慮した限界域である。
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3.照準用スコープ
 仮組の時点で気付き修正したのだが、首が無いスコープドッグはスコープを覗くアクションが苦手なので照準器自体に10°程角度を付けている。これによりスコープドッグのカメラと照準器を一直線上にセッティング可能となる。
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 次にこのロッグガンを正面に持たせるべく上半身の試作品を仮組して試行錯誤を繰り返した結果、次の事柄が条件として浮かび上がる。

①右肩はそのままで背負うと照準器がかなり上方になり視線が合わない→肩を下げたい。 ヒジ関節は90°以上曲げて、手首は30°以上曲げたい。 ナックルは専用造形。

②左肩は肩ブロックを引き出す様な配置が必要で、ヒジ関節も引き伸ばし、手首も角度付けが必須でありナックルも専用設計で持ち方の表情付けが要る。

③重量負荷に堪える様な補助具が右腕に必要だと思われた。


 上記条件を総合的に考慮した結果、固定で微妙な表情付けを行い整合性を取るよりは、例えば肩に共通した引出し機構を作り、ポージングで各所の限界域を確認しつつナックルの表情付けを行った方が合理的だと判断したのだった。これが固定モデルから可動モデルに企画を変更した経緯である。
 制作過程で永見さんに相談したところ快諾(?!)頂き、シンプル且つ低コストとなる様に原型制作法を配慮した次第である。実際に使用するポリキャップランナーは2枚のみで、ナックルを変えることで無保持状態の再現も可能とした。

各所の機構について
 可動モデルとして設計をする方法は基本的に現物合わせである。大まかな各所ブロックを仮で作り、アルミ線などで繋いで大まかなポージングを決め、リーチを測ってから細部のアイディアを詰めていった。

◎肩ブロック
 肩の基本フレーム、シャフトの受け軸とシャックルアームで構成、肩ブロックから機構を引き出すのだが、その際むき出しになってしまう肩機構にシャックルアームを介してショルダーアーマーが追従し、自然な動きを可能とした。肩アーマーはアームに差し込みシャックルで止めるというシンプルなものである。これにより右肩を下げ、左肩を伸ばすというポージングの条件を2つクリア。
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◎二の腕の伸縮機構とヒジアーマーの追従
 これも独自のアイディアだが、二の腕内部にヒジ関節の伸縮機構を設け、ガラ空きとなるヒジ関節をカバーする為にヒジアーマーを曲げに追従する様に設計した。残念ながらアームパンチ機構はオミットしたが、より自然に角度を変えられる。結果腕の伸縮と可動域90度以上という2つの条件をクリア。
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◎専用ナックルと補助具
 ポージングの条件を機構としてクリア出来た後に、手首と保持指を造形する。過去の作例でも何度か使っているナックルがあり、基本的にそのデザインと同様の物をスカルピーやエポキシパテを駆使して造形している。指のひとつひとつに表情をつけ、グリップの握り具合と手首の角度を調整して理想的な構えを模索していった。同時進行でロッグガン本体を右肩に固定する補助具を作り、ロッグガンを正面に構えた際、下に垂れ下がる「ヘタレ」を防ぐ事に成功する。2パターンのポジションを設定し、トリガーグリップを動かさずに構えるポジション、トリガーグリップを下げてより深く担ぐポジションに専用ビスを介して組み合えることが出来る。     
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補足(レンズ組み合わせについて)
 ロッグガン本体や新規上半身のカメラ部にH・アイズを組み合わせる仕様とし、塗り分けやレンズの組み合わせ次第で表情を変えられる工夫を原型に施している。例えばメインカメラ、キットでは奥に3mm正面に6mmのレンズを組み合わせる仕様だが、奥のレンズを4mmにしてレンズの見え方を変える事も可能。ロッグガンの正面カメラもキットでは8mmレンズを指定しているが、奥に5mmや3.5mmを組み合わせる事も可能とした。
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 原型納品後、引き続き完成品製作も担当する事になり、この度急遽販売が決定したペンタトルーパーと、併せてプラキット上半身も別途製作した。

 ペンタトルーパーを構えるプラキット上半身は基本的には無改造だが、左右ナックルのみ小改造を施している。右ナックルはプラキットベースで、関節に1mmシンチュウ線を貫通させ可動式に改造している。左ナックルはプラキットの平手をベースに、指全てを関節単位で一旦バラバラに切り離し、角度を付けながらシンチュウ線を入れて繋ぎ直してグリップを握らせている。無論手首の角度も変更した。

 下半身はロッグガン及び新規造形の上半身も組み合わせられる汎用で、各関節の強化、後ハメ加工、下駄内部に板鉛を詰め込み接着したり、重量負荷に対応させているので今回のキット制作の参考にしてみてほしい。

最後にカラーリングは、今回プラキット(ラウンドムーバー)も含めTVシリーズ、メルキア仕様の指定色を確認しながら再現した。

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ロッグガン&
スコープドッグ上半身改造パーツセット

本体価格:¥19,000(税別)■2016年9月発売
■レジンキャスト製組立キット ■1/24スケール
■原型製作:只野☆慶【Twitter
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1/24 ペンタトルーパー製品化決定! 6月下旬当社オフィシャルサイトにて詳細公開!
作例のペンタトルーパーが緊急製品化! 6月24日(金)より受注開始!!
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1/24 マーシィドッグ、原型完成! 7月下旬公開に向け最終準備中!!
※画像はパーツ原型状態を撮影した製品の一部です。実際の製品では各パーツ設定に準じたカラー成形となります。
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1/24 バーグラリードッグ【赫奕たる異端Ver.】鋭意製作中!
詳細は今夏公開。
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1/100 ウォーカーマシンシリーズ第3弾、製作決定!
詳細は今夏公開。
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「装甲騎兵ボトムズ」「戦闘メカ ザブングル」「聖戦士ダンバイン」「重戦機エルガイム」…各作品、未発表の新規アイテムも続々、企画進行中! 乞うご期待!!

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日頃、お客様よりいただいている 「完成品実物を見てみたい」 「キット内容がどうなっているのか直接見てみたい!」 という声にお応えし、テストケースとして、ウェーブ社内会議室を会場として、一日限定でレジンキットの簡易展示会を開催致します。
これまでリリースしてきた人気アイテムの完成見本がズラリ勢揃いし、そして最新アイテム「1/100ザブングル」も一足先にご覧いただけます。

こんなお客様はぜひご来場ください。
・キットを見てみたい。
・内容を確かめたい。
・レジンキットを触ってみたい。
・開発担当者に質問したい。
・・・などなど。

当日は、稀代の天才造形作家「岬光彰」さん、マルチスカルプター「市野裕己」さんも登場!


もちろん、入場無料ですので、13時〜18時まで、ご自由にご来場ください!


ウェーブ・プレミアムモデル・
モデラーズルーム#00

日時   :2016年6月25日(土)
      13時〜18時
場所   :東京都武蔵野市吉祥寺東町1-10-1 3階
案内役  :永見浩士(ウェーブ開発部)
特別ゲスト:岬光彰
      市野裕己(ノリモータース)
問合せ先 :株式会社ウェーブ
      TEL:0422-20-8616
      mail:info@wavecorp.co.jp

Producer’s Voice

本シリーズの企画・制作を担当している開発部の永見です。
今回は最新アイテム「ロッグガン」について、原型を担当した只野さんに登場いただきました。ご覧のとおり、当初スコープドッグ上半身改造パーツセットは固定モデルとするはずだったのですが、只野さんが良い意味で暴走し、難しいポージングも可動で再現可能となりました。原型師のサービス精神には、いつも脱帽ですね(苦笑)
そして1/100ザブングル。遂に、皆さんの前へ完成した状態でお披露目できます!! 原型を担当した岬さんが、文字通り肉体的、精神的に限界ギリギリ…いえ、限界を超えてまで頑張って、ようやく完成したものです。Xポイン…じゃなくて(笑)、Xデーは6月27日(月)。ご期待を!さて!!
そしてマーシィドッグも原型完成し、塗装品見本品の準備を着々と進めているところです。こちらは7月下旬公開しますので、もう暫くお待ちください。

さて、次回のプレモニの作例では、今までとまた趣向を変え、ペーパークラフトモデルで準備しています。超大型サイズのため、なかなかゴールが見えず苦労していますが…頑張ります!


プロデューサー 永見浩士 (ウェーブ開発部)


[ウェーブ・プレミアムモデルNEWS! ]次回は7月15日(毎月第3金曜日)更新です。ご期待ください。

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